研究成果

(1)ヤリイカの人工飼育
当時、「イカは人工飼育できない唯一の動物」と言われていたが3年もの苦労の末、成功した。
(2)生物の物理学的理解
ヤリイカの神経活動の計測から、生物は物理的に非線形・非平衡物理から理解できることを提唱し、生物物理学の基礎の1つを築いた。
(3)ヤリイカ巨大神経における微小管の発見
神経には微小管が存在しないというそれまでの常識を覆し、神経内に微小管が存在し、機能的に働いていることを発見した。
(4)ヤリイカを用いたその他の研究
網膜の光刺激とアクチンフィラメントの研究やナトリウムゲート電流のTTX効果など生物の機能と分子の関わりを探求した。
(5)光計測による神経活動実時間イメージング
1970年代より、光による神経興奮の観察手法の研究に関わり、脳活動の実時間イメージングの実現に向けた研究を行った。
(6)脳の学習原理に関する実験的研究
情動に着眼し、行動中ラットの海馬、篇桃体、側座核などの電気生理研究や新生アヒルの刷り込み現象の脳活動レベルでの研究などから脳の学習原理の抽出を試みた。
(7)脳型コンピュータの基本設計
脳型コンピュータの基本コンセプト自体が松本氏の発案であるが、さらに、その根本原理がコンピュータに心を持たせることであり、その方法を開示した
(8)愛は脳を活性化する
脳は情報の非平衡物理学として理解し、関係欲求(愛につながる)について思考し、独自の脳成長論に到達した。