「MiCAMほどのスピードは必要無いが、高い空間解像度が欲しい」というご要望にお応えし、1920x1200画素の高解像度カメラとバイオイメージング実験用に開発された専用画像計測ソフトウェアを組み合わせた高解像度イメージングシステム BV-XB1を開発しました。
このシステムにはカメラ制御、光源点灯制御、パルス出力、アナログ出力、ならびにアナログ記録機能を備えた多機能イメージング同期装置ESTM-9も含まれており、プログラミングやハードウェアについての特別な知識が無くてもカメラでの撮影と外部機器の入出力を簡単に同期制御することができます。
ブレインビジョン製マクロ蛍光顕微鏡と併用すれば、広視野/高解像度/高S/N比 蛍光イメージングシステムを安価に構築することが可能です。
数年前まで低光量条件ではCCDセンサが優位であると言われていましたが、最近のCMOS技術の大幅な向上により、低光量条件に適したCMOSセンサが開発されています。
本システムで使用しているCMOSセンサのダークノイズはCCDセンサに匹敵するほど低く、またCMOSセンサーの優位点でもある高フレームレートでの撮影が可能ですので、カルシウムイメージング、GCaMP・FRETなどの蛍光タンパク質を用いたイメージング、フラビン蛋白蛍光などの内因性信号イメージングのような低光量条件のバイオイメージングに適しています。
高画素数、大きな撮像素子
1920x1200画素、センサーサイズ:11.3mmx7.1mm
大きなウェルキャパシティと低ダークノイズ
32ke-ほどの大きなウェルキャパシティと、CCDカメラに匹敵するほどの低いダークノイズにより、CCDセンサーを上回るダイナミックレンジ。低~中・光量条件の幅広いアプリケーションに対応。
ビニング設定、画素数選択により、感度・フレームレートの変更が可能
読み出し画素数 | ビニング | 実効画素数 (HxV) |
最大フレームレート (fps) |
|
---|---|---|---|---|
全画素読出 (注1) |
1920x1200 | 1x1 | 1920x1200 | 78.11 |
2x2 | 960x600 | 128.77 | ||
3x3 | 640x400 | 128.77 | ||
4x4 | 480x300 | 128.77 | ||
中央部分読出 (注2) |
960x600 | 1x1 | 960x600 | 249.44 |
4x4 | 240x150 | 249.44 | ||
768x480 | 4x4 | 192x120 | 307.03 | |
640x400 | 1x1 | 640x400 | 362.82 | |
4x4 | 160x100 | 362.84 | ||
480x300 | 1x1 | 480x300 | 469.48 | |
384x240 | 1x1 | 384x240 | 570.13 |
(注2) 読み出し画素数、ビニング設定により実効受光面積と実効ピクセルサイズが変わります。
カメラ、光源、刺激装置やアンプなどの外部機器と接続し、イメージングと外部機器の入出力を同期制御します。
外部カメラ 画像取得制御
- フレームタイミング信号を外部カメラへ出力、または外部カメラからのフレームタイミング信号を入力
- フレームレートは任意に指定可能
- タイムラプス計測制御も可能

外部光源 点灯制御
- カメラ制御と同期したタイミングで光源点灯制御信号を出力
- 連続点灯、間欠点灯、任意のパターンでの点灯制御が可能
パルス出力
- 4チャンネルのパルス出力は独立して設定可能
- カメラ制御とは関係無く刺激出力可能
- 内部トリガーを使用し、長時間の刺激も可能

アナログ出力 - カスタムパルスパターン
- 2チャンネルのアナログ出力
- パルス1~4を合成し、Aout1から出力可能
- 正弦波、三角波、鋸歯状あるいはカスタム波形を設定可能
- CSVファイルを使用しカスタムパルスパターンを作成可能



アナログ信号記録
- 2チャンネルアナログ記録
- 先行トリガ、遅延トリガ、複数のトリガーソースが利用可能


特別な設定が不要なターンキーシステム
イメージングに特化して設計されたハードウェアとそれを制御する専用計測ソフトウェア、パソコンで構成されています。使用するためには各コンポーネントをケーブルで繋ぐ以外、特別な設定・チューニングは必要ありません。システム導入後その日にデータ取得することも可能です。

マルチカメラシステム
制御用パソコンにXB1CMを複数台接続することにより、完全同期撮影マルチカメラシステムとして動作させることが可能です。モニター画像上で2カメラ画像の重ね合わせをすることも可能です。
タイムラプス撮影機能
数分~数時間で変化する現象をインターバル撮影します、撮影時のみ照明するため、試料のダメージを最小限に抑え、安定した基線のデータの取得が期待できます。
イメージング例
BV Workbench
BV WorkbenchはBV-XB1を制御する画像計測ソフトウェアです。モニター、画像取得、イメージングシステムの入出力制御のほか、取得した画像データの解析機能やフィルター機能などを備えています。マウスで直感的に操作できるユーザーインターフェースを持っています。
計測設定 モニター画面と波形表示
データ解析画面 2カメラ画像重ね合わせ
- 複数のイメージングシステム、電気刺激装置を同期制御・撮影
- 画像取り込みモード:単一計測(PCメモリへ保存、またはSSD/HDDへのダイレクトレコーティング)、加算平均、タイムラプス
- 画像オーバーレイ、画像反転
- 任意の画素の輝度変化波形表示(リアルタイムまたは画像取得後)
- 輝度ヒストグラム
- フィルタリング(Gaussian, Mean, Median, Inverse polarity)
- ツール(alignment correction、illumination correction, binning, crop, time range)
- グラフィカルな刺激パルスパターン設定
BV_Ana
BV_Anaは光計測データを解析するソフトウェアです。主に膜電位感受性色素を用いた神経活動や心臓活動の解析用に開発されました。
画素ごとの光量変化を組織画像上に重ね表示することにより、光量が変化した量や部位を容易に解析できます。また、解析画面の動画出力が可能なのでプレゼンテーション資料の作成が容易です。
タイル画像表示 時間微分処理 4画像同時表示
等時マップ゚表示 等時マップ゚表示 マルチ波形表示
- カルシウムイメージング
- フラビン蛋白やヘモグロビン由来の内因性蛍光信号イメージング
- FRET, GCaMP, VSFPなど各種蛍光タンパク質を用いたイメージング
BV-XB1の仕様 | ||
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品名 | 高解像度イメージングシステム BV-XB1 | |
品番 | BV-XB1 | |
標準システム構成 | XB1カメラヘッド(XB1CM)、ESTM-9、ケーブル類 専用コンピュータ、液晶モニター 制御ソフトウェア(BV Workbench)、データ解析ソフトウェア(BV_Ana) |
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対応OS | Windows 7またはWindows 10 64 bit | |
カメラヘッドの仕様 | ||
品名 | XB1カメラヘッド | |
品番 | XB1CM | |
イメージセンサー | SONY IMX174 CMOS (1/1.2インチ) | |
解像度(画素数) | 1920x1200 | |
受光面サイズ(H x V) | 11.3mmx7.1mm | |
画素サイズ(H x V) | 5.86umx5.86um | |
シャッターモード | グローバルシャッター | |
空間解像度と 最大フレームレート |
78.11fps@1920x1200画素 249.44fps@960x600画素 362.82fps@640x400画素 469.48fps@480x300画素 570.13fps@384x240画素 |
|
量子効率(標準値) | 70% | |
ダークノイズ(標準値) | 6.6e- | |
飽和容量(標準値) | 31.7ke- | |
ダイナミックレンジ(標準値) | 73.7dB | |
ビット深度 | 12bit | |
インターフェース | USB3.0 | |
レンズマウント | C-mount | |
重量 | 80g | |
寸法 | 29.3mmx29mmx29mm | |
ESTM-9本体の仕様 | ||
パルス出力 | 4チャンネル(BNCコネクタ) | |
アナログ入力 | 2チャンネル(BNCコネクタ) | |
アナログ出力 | 2チャンネル(BNCコネクタ) | |
専用カメラ制御用入出力 | 2チャンネル(4ピンコネクタ) | |
カメラフレーム同期信号出力 | 1チャンネル(BNCコネクタ) | |
計測ステータス出力 | 1チャンネル(BNCコネクタ) | |
光源制御信号出力 | 1チャンネル(BNCコネクタ) | |
外部トリガー入力 | 1チャンネル(BNCコネクタ) | |
その他 | トリガーボタン、停止ボタン、 オプション用コネクタ(8ピンコネクタ) |
|
制御ソフトウェア | 専用ソフトウェア | |
インターフェース | USB2.0 | |
電源 | USBバスパワー | |
付属品 | ESTM-9、USB2.0ケーブル、制御ソフトウェア | |
寸法 | 横180mm x 縦120mm x 高さ65mm | |
ESTM-9各機能の仕様 | ||
メイントリガー | トリガモード | Software/External/Internal |
トリガーソース | ソフトウェア/外部トリガー入力/トリガーボタン | |
トリガーエッジ | Positive/Negative | |
パルス出力 | 出力電圧 | 5V |
クロック周期 | 10usec~10msec | |
持続時間 | 10μsec~10min | |
遅延時間 | 10μsec~10min | |
パルス間隔 | 10μsec~10min | |
パルス数 | 1~65,535 | |
アナログ入力 | 入力レンジ | 1V/3V/10V |
サンプルクロック | 10usec~10msec | |
トリガーソース | Main/Pulse1/Pulse2/Pulse3/Pulse4/Ain1 level | |
その他 | 先行トリガ、遅延トリガ、 ローパスフィルター、極性反転 |
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アナログ出力 | 出力電圧 | -10V~10V |
出力波形 | 正弦波、三角波、 |
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カメラ制御 | 接続可能カメラ数 | ブレインビジョン製 BV-XB1:2台(専用I/Oコネクタ) 他社製カメラ:1台(BNC端子) |
フレーム同期信号 | 出力 または 入力 | |
フレーム同期信号周期 | 10usec~300msec | |
トリガーソース | Main/Ain1 level/Pulse3 | |
その他 | 出力極性反転 | |
光源制御 | 点灯 | 常時/撮影同期/フレーム同期点滅/任意タイミング |
その他 | 出力極性反転 |