Ver0708版からの主な変更箇所について記載しています。
主な新規機能を下記の表に示します。
1.解析機能について(MiCAM Ultima/MiCAM01/MiCAM02で共通) |
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(1−1) | Wave-Filter処理後の波形データ情報の表示 | 波形図の上部に表示する情報(ピクセル座標、背景値、差分値( %値 )は、今まで1pixelのみの情報でしたが、Wave-Filter(空間フィルター&時間軸フィルター)処理後の値も表示可能になりました。 |
(1−2) | 波形データのCSV形式ファイル出力機能の改良 | 波形データをCSV形式ファイルに保存する際に、[Wave-Filterをかける]/[Averaging回数で割る]/[正負の符号反転]/[背景値に対する%表示] などのオプション機能をユーザが選び、その式に従った値をファイル保存可能になりました。 |
(1−3) | [Binning 2x2 pixels ] 機能の追加![]() |
全ピクセルについて、周辺2x2ピクセルの差分値の加算を行い、その値を新しい差分値としたデータを新規に作成します。 |
(1−4) | [Rotation of data] 機能の追加 ![]() |
データの回転機能。右90度or左90度回転したデータを新規に作成します。 |
(1−5) | [Reversing of data]![]() ![]() |
データ内の反転機能およびフレーム補間機能についても、今までは指定データに上書きするものでしたが、処理後データを新規に作成する方式になりました。 |
(1−6) | Stimデータの波形表示(Ultima形式データ専用) | Ultima形式データ( .rsh)が、内部に持つStimulationデータをBV_Analyzer上で表示可能になりました。 |
(1−7) | [Wave of ROI]![]() |
2つの領域の平均波形の相関係数・重なり合い度数を表示する[Correlation]ボタンを追加しました。 |
(1−8) | [Region Set]/[ROI]時の波形表示の機能改良 | (1) キャンバス上で、[Region Set]/[ROI] 機能の波形を表示した際に、この領域に含まれる全ピクセル数が表示可能。 (2) [Wave csv export]機能で、波形データがファイル保存可能。 (3) [Region / ROI points csv export]機能で、全点の座標をファイル保存可能。 |
(1−9) | [APD] 解析機能![]() |
APD(Action Potential Duration)時間の算出を行います。全ピクセルのAPD時間を算出し、マップ図を作成します。 |
(1−10) | その他 | |
2.データ取得機能について(MiCAM02時のみ有効) |
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(2−1) |
Average回数が1以上の場合は、[Pause]/[Restart]機能追加。 |
●キャンバス上に表示中の波形は、[Control]タブページの[Image&Wave Apperance Control]欄で、波形表示にのみフィルター処理を施すことが可能です。Pixel-Filterの垂直バーの操作で、空間フィルターをかけたり、Tcnst-Filterの垂直バーで時間軸フィルターをかけることができます。(全ピクセルに計算処理を行うわけではありません。表示中波形の概観のみに作用します。)
●[Control]タブページの[show val]欄をチェックすると、波形の上部に、ピクセル座標、背景値の値、表示中のフレーム番号における差分値の値(波形値に対する%表示)を常時表示することが可能です。今までのバージョンでは、この情報は、表示座標の1ピクセルのみについての情報でしたが、Wave-Filterを使用した場合には、フィルター処理後の値を表示可能になりました。
●下図の(1)のように、Wave-Filterを使用していない場合(Pixel-Filter = 1x1, Tcnst-Filter = 1)には、[Pixel-val]ボタンをONにして表示ください。[WaveFiltered-val]ボタンをONにした場合でも、[Pixel-val]をONにした場合と表示される数値は同一です。
●下図の(2)のように、Wave-Filterを使用している場合には、[ WaveFiltered-val]ボタンをONにして表示ください。フィルター処理後の値で表示されるため、波形図の横軸メモリとの整合がとれます。[Pixel-val]をONにすると、表示座標1pixelのみの数値となります。
●キャンバス上でデータを選択後、マウス右クリックによって表示されるポップアップメニューの[Wave csv export]で、表示中の波形データをCSV形式ファイルに保存することが可能です。この機能を、ユーザの様々な要求に対応可能にするため、オプション選択方式に改良しました。
●[Wave csv export]メニューを実行すると、下記のようなBOXが表示されます。この中で必要な項目にチェックマークをつけてください。生データの差分値をD(x,y,t)とした時、ファイルに出力する値への計算式が下部に表示されます。下図の例では、生データの差分値に現在キャンバスで使用中のWave-Filter処理を施し、これをD'(x,y,t)として、アベレージング回数で割り、正負の符号を反転し、さらに背景値に対する%値とします。この結果、キャンバス上で表示中の波形と同一のものが、保存ファイルから再構築可能になります。
●キャンバス上でデータを選択後、マウス右クリックによって表示されるポップアップメニューの[ Binning 2x2 pixels ]を実行すると、差分データを2x2pixelごとに加算した新しいデータがキャンバス上に作成されます。(
または、ツールバーのボタンで実行)
(注意)
@データサイズの変更は行いません。
A背景データは、元データと同一です。
B差分データは、元データの差分を2x2pixelごとに加算を行い、2x2pixelごとに同一の値になります。
C但し、波形表示の際の%表示は、背景データに対する%値になりますので、2x2pixel内でも異なる場合が生じます。
D外部信号データは、元データと同一です。
●Binningの例(上:元データ 下:Binning後データ)
●Binning処理の計算例
★元データの差分データ
0 | -6 | -3 | -4 | -2 | |||||||||||
2 | 0 | -9 | -4 | 1 | |||||||||||
-1 | -7 | -6 | -1 | -3 | |||||||||||
-4 | -1 | -3 | -1 | -10 | |||||||||||
-5 | -5 | 1 | 0 | -4 | |||||||||||
-6 | -1 | 5 | - | -11 | |||||||||||
-1 | -2 | 2 | -2 | 1 | |||||||||||
-5 | -6 | -5 | -2 | -5 | |||||||||||
1 | -8 | -1 | 3 | -5 | |||||||||||
-5 | 0 | -9 | -9 | -5 | |||||||||||
1 | -4 | -1 | 0 | -1 | |||||||||||
-3 | -3 | -12 | 0 | 1 | |||||||||||
1 | -2 | 1 | 0 | -4 | |||||||||||
-10 | 5 | 1 | -8 | 1 | |||||||||||
2 | -1 | -3 | 2 | -1 | |||||||||||
-1 | -4 | 2 | 4 | -4 |
★Binning後データの差分データ
-4 | -4 | -20 | -20 | ||||||||||||
-4 | -4 | -20 | -20 | ||||||||||||
-13 | -13 | -11 | -11 | ||||||||||||
-13 | -13 | -11 | -11 | ||||||||||||
-17 | -17 | 6 | 6 | ||||||||||||
-17 | -17 | 6 | 6 | ||||||||||||
-14 | -14 | -7 | -7 | ||||||||||||
-14 | -14 | -7 | -7 | ||||||||||||
-12 | -12 | -16 | -16 | ||||||||||||
-12 | -12 | -16 | -16 | ||||||||||||
-9 | -9 | -13 | -13 | ||||||||||||
-9 | -9 | -13 | -13 | ||||||||||||
-6 | -6 | -6 | -6 | ||||||||||||
-6 | -6 | -6 | -6 | ||||||||||||
-4 | -4 | 5 | 5 | ||||||||||||
-4 | -4 | 5 | 5 |
●キャンバス上でデータを選択後、マウス右クリックによって表示されるポップアップメニューの[ Rotate ]を実行すると、右または左に90度回転した新しいデータがキャンバス上に作成されます。(
または、ツールバーのボタンで実行)
● [Rotation of data]メニューを実行すると、下図のBOXが表示されます。右90度回転/左90度回転のどちらかを選択し、[OK]ボタンを押します。
●[Rotation of data]の例
●ポップアップメニューの[Reversing of data] (データの反転機能) および [Delete Frames] (指定したフレームの差分データをその前後の差分値から補間したデータに書き換える機能)について、今までのversionでは選択データに上書していましたが、キャンバスに新しいデータを作成する方式に改良しました。
●Ultima形式データ(.rsh / .rsd / .rsm のセットデータ)専用の機能です。Ultima形式データ以外のデータでは、メニュー項目が禁止状態になります。
●キャンバス上でUltimaデータを選択後、マウス右クリックによって表示されるポップアップメニューの[ stim Data Wave Display ( for Ultima) ]を実行します。下図のBOXが表示されます。表示したいチャンネルにチェックしてください。Ultima形式データが、内部に持つStimulationデータの波形をキャンバス上に表示します。[Stimulation 1] [Stimulation 2]両方にチェックすると、1と2をあわせた状態で表示します。
●通常の波形と同様にキャンバス上をマウスドラッグ操作により移動したり、表示するフレーム範囲を変更したり可能ですが、波形の高さは固定であり、[Gain]の操作はありません。
●メインメニューの[Analyze]-[Display Window for wave of ROI/Line](または、ツールバーのボタン)で、以下のようなBOXが表示され、任意の線上または領域の平均波形を表示することが可能です。2つの波形を表示した際に、この2波形の相関係数・重なり度数を得られる機能を追加しました。
●2つの領域の波形を表示後、[Disp Wave]ボタンの下にある[Correlation]ボタンを押します。押すと、ボタンは[Cancel]に表示が変ります。波形上に、領域を示すグレーの幅が表示されるので、グレー領域の青点線をマウスドラッグで適当な位置にします。このグレー領域の範囲の相関係数(Correlation Coefficient)・重複度(overlap)が下部に欄に表示されます。[Cancel]ボタンを押すと、グレー領域はなくなり、通常表示に戻ります。
●相関係数は、ピアソンの積率相関係数(Pearson product-moment correlation coefficient)であり、下記の式を使用しています。
2 組の数値からなるデータ列 ただし、 |
●[Save BMP]ボタンを押すと、画像&波形&相関係数&重複度をBMPファイルに保存可能です。
●[Control]タブページの[Region Set]機能で、画像上で、閾値を超えてカラー表示されている1領域(連結したピクセルの集合体)のpixelの平均値を波形図に表示することが可能です。また[Wave of ROI/Line]の機能で作成した領域の平均波形をキャンバスに表示することが可能です。
●[Region Set]/[ROI]時の波形も、[Control]タブページの[Show val]をチェックし、[WaveFiltered-val]を選択すれば、指定領域の平均の差分値の情報を表示可能です。
また、この時に、指定領域の全ピクセル数も表示するようになりました。
●今までのversionでは、[Wave csv export]機能は、[Region Set]/[ROI]時の波形に対応していませんでしたが、今versionよりファイル保存が可能になりました。
保存したファイルから、キャンバス上と同一の波形図が再構築可能になりました。全ピクセル数も出力されます。
●ポップアップメニューに[Region/ROI points csv export]メニューを追加しました。このメニューを実行すると、指定領域に含まれる全ピクセルのxy座標をCSV形式ファイルに保存可能です。
●キャンバス上でデータを選択し、メインメニューの[Cardio]-[Display Window for APD]を実行します。
★このメニューを実行する前に、以下のことに注意してください。
(1) [Caluculation]タブの[Drift
Remove]等で、補正をかけてください。
(2)
[Control]タブの[Wave-Filter]をかけた状態で実行すると、非常に時間がかかる場合があるので、
[Caluculation]タブの[Spatial
Filter] [HPF/LPF]等で、ノイズが除去できるようにデータに十分な
フィルターをかけてください。
(3)
キャンバス上のデータの差分表示されているピクセルがAPD解析の対象になります。
閾値やフレームNoを最適な状態に設定してください。
●[Display Window for APD]メニューを実行すと、下図のBoxが表示され微分処理を行うかどうかを問い合わせてきます。
通常は[YES]にしてください。 [NO]を選択すると、Activation mark の [point of Maximal dV/dt]は、選択不可となります。
微分処理に時間を要することもあるため、不要な場合は、[No]で進んでください。
●下記のような[APD
Image]Boxが表示されます。画像上の点が、デフォルトで2つ表示される波形図の観測点になります。
[Observation Poin
Num]コンボBoxを選択すると、表示波形は、1〜最大5までに変更可能です。
画像上の観測点をマウスドラッグすると、合わせて対応する波形が表示されます。
●キャンバス上で、波形の表示範囲を変更したり、[Control]タブ上の設定を変更させた場合には、それを反映させるために、[Control Update]ボタンを押してください。
●自動で各波形図ごとに、以下の流れに沿って、APD時間を算出します。
(1)波形表示範囲中の最大値とBaselineを検出します。(最小値がBaselineとなります。)
画像上で紫色の横点線がこれに相当します。(BV_Analyzerでは、実際の測定値は、正負の符号が逆)
(2)Activation mark (波形の立ち上がり点)を算出します。縦の緑点線で表示されます。
Activation mark は、以下の3つのモードから選択可能です。
[point of maximal dV/dt] : 波形に1次微分をかけ、微分結果が最大値になる時点
[point of half-maximal amplitude] : (最大値+Baseline)/2の値になる時点
[point of maximal amplitude] : 波形の最大値を有する時点
(3)Repolarization mark(再分極点)を算出します。縦の赤点線で表示されます。
Repolarization mark は、以下の値になる時点です。
(最大値-Baseline)*(1-β) + 最小値
(4)APD 時間を求める。 APD = Repolarization mark - Activation mark
(5)キャンバス上の設定で閾値を超えていないピクセルについては、APD時間の算出は行いません。
●Baselineの検出には、範囲指定を行うことが可能です。[Manual baseline range setting]チェックBoxをONにします。
グレー表示の領域が表示されます。この両端の2本の青点線をマウスドラッグすることにより、範囲を指定します。この範囲内の値の最小値をとるか平均値をとるかで、[Min]/[Mean]を選択します。これらの設定を他の波形Boxに反映させるには、[Apply
All]ボタンを押します。
●波形の重ね合わせ表示 [APD Image]BOX内の[Overwrite View]ボタンを押すと、観測点1の波形Boxに表示中の波形を重ね合わせて表示します。[Overwrite Cancel]ボタン([Overwrite View]ボタンを同一)で、通常の1波形の表示に戻ります。下図は波形図を5個表示し、[overwrite]した例です。
●各波形図は、各BOX内の[Save BMP]ボタンで波形図とAPD算出数値をBMP保存可能です。
また、[Save CSV]ボタンで波形データの値をCSV形式ファイル保存可能です。
●APDマップ図 [APD map View]ボタンを押すと、各ピクセルのAPD時間を算出し、時間の長さを色で表示します。
カラーテーブルは、キャンバスに指定しているカラーテーブルを使用します。キャンバス上で閾値を超えているピクセルのAPD時間を算出し、最短時間と最長時間を256段階のカラーテーブルに割り当てます。[Activation
marks]の選択を変更した場合には、再度[APD map View]ボタンを押してください。[Save BMP]ボタンで、図をBMPファイル保存可能です。
●メインメニューの構成に一部変更あり。[View]項目の解析用機能を[Analye]項目に移動。心臓分野向け解析用に[Cardio]項目追加。
●不具合点の修正
・[Calculation]タブページの[Average]/[Referrence]機能で、num=0の時はエラーメッセージを出力。
・[Calculation]タブページの[Average]/[Referrence]機能で、最終フレームを処理しない不具合修正。
・y軸の%/div値の指定の際に、アボートするバグを修正。ゼロ割り算が原因。
・タブページのみ指定のフォントが実現できないMSの不具合あり。MSのニュースに基づいて修正。但しまだ英語版WinOSでは縦横比が狭くなる不具合あり未解決。
●avaerging回数が1以上の時に、一旦停止のための[Pause]ボタンを追加しました。(前versionまで[Pause]ボタンは[Stim-NoStim]モード時のみ使用可能でした。)
●[Acquisition]BOX内の[Pause]ボタンを押すと、acquisitionの後[Restart]ボタンを押すまで、次の[Acquisition]を開始しません。[Restart]ボタンが押されると、指定されたInterval時間分待ってから、Acquisitionを行います。