BV_Analyzerのメインメニュー[View]-[Display Widow for ConductionVelocity Vector]の機能について、処理のアルゴリズムを示す。
全点（ｘ、ｙ）について、[Control]タブページの[Time & Movie Control]欄[Start]＆[End]で指定されたフレーム間で、差分値が最も大きくなるフレームNo.を求める。各点がピーク値をとるフレームNoをTpk(x,y)とする。
(注） BV_Analyzerでは、データ値と波形表示の際の正負の方向が逆になるので、データ値の負の値が最も大きなものがピーク値となる。
全点（ｘ、ｙ）について、Tpkに関する４方向のベクトルV1, V2, V3, V4 を求める。
V1 = Tpk(x,y-1) - Tpk(x,y+1)
V2 = Tpk(x+1,y) - Tpk(x-1,y)
V3 = Tpk(x+1,y-1) - Tpk(x-1,y+1)
V4 = Tpk(x+1,y+1) - Tpk(x-1,y-1)
V1, V2, V3, V4ベクトルを合成し、X軸右方向を０度とした時の角度Ang(x,y)と大きさVV(x,y)を求める。
Vx = V1 + V3/√2 + V4/√2
Vy = V2 + V3/√2 - V4/√2
VV = √（ Vx*Vx + Vy*Vy )
Ang = asin(Vy/VV)
求められたAng(x,y)とVV(x,y)を画像上に表示する。
ベクトルの方向を識別しやすくするために、右図のように角度に合わせて4色に分けて表示している。
0 - 90° ：Green
90-180° ：Yellow
0 - -90° ：Blue
-90 - -180°：Red
・[Peak]/[50% of Min-Max]の選択
[Peak]を選択すると、上記の処理の通り。[50% of Min-Max]を選択すると、各点での最大値と最小値を求め、その50%を超えた時間をTpk(x,y)とする。
・[Zoom]の選択
表示する画像サイズの拡大率を ｘ３ / ｘ５ / ｘ７ から選択する。
・[Length]の指定
表示するベクトルの表示長を制御。指定した値が最大ベクトルの表示長になる。
・[Space]の指定
ベクトルを表示する点の間隔を制御。１のとき、画像上の全点のベクトルを表示する。
・[Threshold]の指定
ノイズに関するベクトルを削除するためにの制御。ピーク値がThreshold値以下の点については、成分がゼロとして無視する。Thresholdは、[Control]タブページで指定するGain値と関連するので注意。
４方向のベクトル算出の際に、 Dpk(x, y)：Tpk(x,y)フレームがとる最大の差分値 とすると、
V1 = Tpk(x,y-1) - Tpk(x,y+1)
Dpk(x,y-1) と Dpk(x,y+1) のどちらかがThresholdより小さければ、V1=0
V2 = Tpk(x+1,y) - Tpk(x-1,y)
Dpk(x+1,y) と Dpk(x-1,y) のどちらかがThresholdより小さければ、V2=0
V3 = Tpk(x+1,y-1) - Tpk(x-1,y+1)
Dpk(x+1,y-1) と Dpk(x-1,y+1) のどちらかがThresholdより小さければ、V3=0
V4 = Tpk(x+1,y+1) - Tpk(x-1,y-1)
Dpk(x+1,y+1) と Dpk(x-1,y-1) のどちらかがThresholdより小さければ、V4=0
・[Limit]の指定
単位はフレーム数。ある一定のフレーム数以上離れた成分は連続する成分とは考えられないため、無視する。
４方向のベクトル算出の際に、
V1 = Tpk(x,y-1) - Tpk(x,y+1)
V1 > Limit の時、V1=0
V2 = Tpk(x+1,y) - Tpk(x-1,y)
V2 > Limit の時、V2=0
V3 = Tpk(x+1,y-1) - Tpk(x-1,y+1)
V3 > Limit の時、V3=0
V4 = Tpk(x+1,y+1) - Tpk(x-1,y-1)
V4 > Limit の時、V4=0
・[Export CSV]ボタン 全点のピークのフレームNo/ベクトルの大きさ/ベクトルの角度の数値をCSVファイルに保存する。
・[Export BMP]ボタン 表示イメージをBMPファイルに保存する。