MiCAM05-C35IRは2,160×1,280画素の大型35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載した超高感度・広視野イメージングシステムです。
MiCAM05-C35では19umx19umの大画素、低ノイズ化技術、量子効率>80%の性能を持つ超高感度CMOSセンサーを採用しました。これにより、これまで十分なS/N比でシグナル検出することが難しかった暗い蛍光サンプルからの微弱光を、より高S/N比で、且つ広視野でイメージングすることが可能になります。
主な特長
- 広視野: 35mmフルサイズCMOSセンサー(対角47.7mm)
- 超高感度: 19umx19umの大画素、高い量子効率(>80%)、低ノイズ化技術
- 高速性能: 2,160×1,280画素で毎秒52.6フレームの撮像速度
- 市販の蛍光フィルターを装着可能
用途
- 増光タイプの蛍光/発光プローブを用いた広視野イメージング
- マルチウェルプレート全体の蛍光イメージング
MiCAMシリーズの検出可能光量と最大フレームレートの比較
MiCAMシリーズは、明るい蛍光サンプルから高速で光量変化を取得する目的で使用されてきましたが、暗い蛍光サンプルから十分なS/N比をキャプチャすることは困難でした。
MiCAM05-C35IRでは、以前は十分なS/N比で検出することが困難であった暗い蛍光サンプルからの微弱光のイメージングが可能になります。
超大型センサ: 広視野で明るい撮影が可能
広範囲を撮影する場合、低倍率レンズを使用する必要がありますが、一般的に低倍率レンズは開口数が低く、画像が暗くなるという問題があります。
センサーサイズの大きいC35を使用すれば、センサーサイズの小さいカメラで使用するレンズの倍率よりも高倍率のレンズと組み合わせても同じ視野が得られるため、結果的に同視野サイズで、より明るい撮影が可能になります。
ブレインビジョン製マクロ蛍光顕微鏡と併用すれば、広視野/高解像度/高S/N比 蛍光イメージングシステムを構築することが可能です。
高感度 :大画素サイズと高い量子効率、低ノイズ化技術
19umx19umと広い画素ピッチ、80%以上の高い量子効率、ノイズを低減する新技術。超微弱な蛍光も高いS/N比で捉えることが可能になります。
高速性能: 2,160×1,280画素で毎秒52.6フレームの撮像速度
撮影モード | 画素数 (H x V) |
受光面サイズ (mm) (H x V) |
最大フレームレート (fps) |
最小露光時間 (ms) |
---|---|---|---|---|
高解像 | 2,160 x 1,280 | 41.0 x 24.3 | 52.6 | 19.0 |
2,108 x 1,080 | 40.1 x 20.5 | 61.7 | 16.2 | |
高速度 (部分読み出し) (Partial readout) |
1,276 x 1,280 | 24.2 x 24.3 | 89.3 | 11.2 |
1,212 x 1,080 | 23.0 x 20.5 | 107.5 | 9.3 | |
1,212 x 720 | 23.0 x 13.7 | 153.8 | 6.5 | |
1,212 x 360 | 23.0 x 6.8 | 277.8 | 3.6 | |
2×2 ビニング | 1,080 x 640 | 41.0 x 24.3 | 90.9 | 11.0 |
市販の蛍光フィルターを装着可能
市販の蛍光フィルター(直径50mm)をカメラマウント内部に取り付けることができます。蛍光顕微鏡を用いず、カメラレンズをカメラヘッドに直接接続して蛍光観察することができます。
寸法
USB3.0による高速データ伝送、ダイレクトレコーディング、長時間撮影
USB3.0インターフェースの採用により、プロセッサからパソコンへのデータ転送が大幅に高速になりました。これによって撮影と同時にデータファイルをHDDやSSDに直接保存することができ、RAM容量の制限を受けず数十分~数時間の長時間記録が可能になります。
最大で2つのカメラが接続可能、完全同期撮影デュアルカメラシステム
MiCAM05プロセッサには2つのカメラインターフェースボードが装着可能です。同タイプのカメラヘッドであれば最大2台まで接続できます。これによって2波長蛍光の同時計測や、異なるアングルからの立体撮影なども可能です。
多波長励起イメージング用LED光源の同期点灯制御 (オプション)
励起波長の異なる複数の蛍光プローブで標識されたサンプルや、2波長励起1波長蛍光プローブを用いたイメージングの場合には、カメラのフレームタイミングと光源の点灯タイミングとを同期させる必要があります。
本機能はMiCAM05から複数のLED光源へ、各フレームタイミングと同期した点灯信号を出力するものです。これによりMiCAM05での撮影とLED点灯を容易に同期させることが可能です。
出力は最大4チャンネルで、各チャンネルから交互に信号が出力されるプリセットパターンが用意されています。市販のパルスジェネレーターなどを用いて点灯パターンを設定する必要はありません。
また、ソフトウェアでパルス遅延時間とパルス幅を指定することができますのでご使用になるLEDの立ち上がり・立ち下がり時間に合わせた細かな設定をすることが可能です。
オプションユニット
2波長励起モード
4波長励起モード
多様なI/Oコネクタ、外部機器との親和性向上
従来のMiCAMに比べ多くの入出力コネクタが装備されており、画像取得と同期した信号出力や、外部機器からの信号入力に幅広く対応可能です。またカスタムメイドの拡張ユニットを装着できるスロットもあらかじめ用意されておりますので、実験に合わせてシステムを機能拡張することもできます。
光源点灯・出力自動制御
画像取得に同期した光源点灯制御のための出力端子のほか、カメラで捉えた画像の輝度飽和度がソフトウェアで設定した飽和度に近づくように励起光源の明るさを自動調整するための信号出力端子が用意されています。異なる試料でも背景光強度がほぼ均一になり、実験精度が向上します。
特別な設定が不要なターンキーシステム
高速イメージングに特化して設計されたハードウェアとそれを制御する専用計測ソフトウェア、パソコンで構成されています。使用するためには各コンポーネントをケーブルで繋ぐ以外、特別な設定・チューニングは必要ありません。システム導入後その日にデータ取得することも可能です。
プレ/ポストトリガー撮影機能内蔵
外部入力信号に同期してMiCAM05の撮影を開始させることが可能です。信号入力時を撮影開始点とするような撮影はもちろんのこと、信号入力前に起きた現象も撮影可能なプレ/ポストトリガー設定も可能です。
タイムラプス撮影機能
数分~数時間で変化する現象をインターバル撮影します、撮影時のみ照明するため、試料のダメージを最小限に抑え、安定した基線のデータの取得が期待できます。
イメージング例
計測/解析ソフトウェア BV Workbench
BV Workbenchは、MiCAM05-C35IRを制御する画像取得ソフトウェアです。 画像の取得と信号の入出力制御に加えて、動画の再生、波形表示、フィルター機能などの解析機能も含まれています。 マウスを使用して簡単に操作できる直感的なユーザーインターフェイスを備えています。
システム | ||
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品名 | 超高感度 広視野イメージングシステム MiCAM05-C35 |
超高感度 広視野イメージングシステム MiCAM05-C35IR |
品番 | MC05-C35 | MC05-C35IR |
標準システム構成 | カメラヘッド(1-2)、プロセッサ、ケーブル類、 専用コンピュータ、液晶モニター、計測/解析ソフトウェア |
|
対応OS | Windows 10 64ビット 日本語版/英語版 | |
カメラヘッド | ||
品名 | C35カメラ | C35IRカメラ |
品番 | MC-C35CAM | MC-C35IRCAM |
イメージセンサー | CMOS | 受光面サイズ (H x V) | 41.04 mm x 24.32 mm |
画素数 (H x V) | 2,160 x 1,280 画素 (2.76M画素) | |
画素サイズ (H x V) | 19μm x 19μm | |
シャッターモード | ローリングシャッター | |
暗ノイズ | 2.2 e- @ゲイン x16 | 3.4 e- @ゲイン x16 |
飽和電子数 | 61,000 e- | 70,000 e- |
レンズマウント | EFマウント, Cマウント, その他 | |
インターフェース | 専用カメラケーブル | |
寸法 (WxHxD) | 103mm x 103mm x 76.5mm | |
重量 | 920g | |
プロセッサ | ||
品名 | MiCAM05プロセッサ | |
品番 | MC03-PRC | |
カメラインターフェース | 1 (最大2) | |
カメラポート | 1 (2ポートのうち1ポートのみ使用可能) |
|
拡張ユニット用スロット | 1 | |
内蔵メモリ容量 | 4GB (最大8GB) | |
同期記録用アナログ入力 | 4チャンネル | |
刺激パルス出力 | 2チャンネル | |
外部トリガー信号入力 | 1チャンネル | |
光源点灯制御信号出力 | 1チャンネル | |
フレーム同期信号入出力 | 1チャンネル | |
リアルタイム輝度モニター出力 | 8チャンネル(C35との併用は不可) | |
光源制御出力 | 2チャンネル | |
電流出力 | 2チャンネル | |
アクイジションステータス出力 | 1チャンネル | |
トリガー待ちステータス出力 | 1チャンネル | |
デジタルI/Oポート | 1 (25ピン) | |
トリガーモード | ソフトウェア、TTL信号入力、アナログ信号入力、オプションユニット使用 | |
データ転送方式 | USB3.0 USB2.0(リアルタイム輝度モニター用) |
|
データ記録モード | PCメモリー使用、またはドライブ(SSD/HDD)直接書き込み | |
記録可能最大フレーム数 | 計測設定に依存 | |
電源 | AC100V-230V、50Hz/60Hz 150W | |
ヒューズ | T2A L 250V | |
寸法 | 300mm(W) x 260mm(D) x 60mm(H) | |
重量 | 約2.6kg |
培養心筋細胞のカルシウムイメージング例
撮像装置: MiCAM-C35IR
解像度: 636×360画素
撮像速度: 200fps
カメラゲイン: 16x
光学系: 倒立マクロ蛍光顕微鏡
対物レンズ: 5x
結像レンズ: 135mm/2.0
LED光源: LEX2-B(12.5%出力)
その他:
多点電極: MED64(アルファメッドサイエンティフィック社製)
ペーシングおよび細胞外電位の同時記録
ステージトップインキュベータ(東海ヒット社製)
色素: Cal-520(AAT bioquest社製)
東邦大学医学部医学科薬理学講座
中瀬古(泉)寛子先生より
[備考]
弱い励起光でもシグナルが得られるため、20秒~30秒間の撮像でもベースラインのドリフトは小さく、何度も撮像が可能だった。